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増し厚工法「増し厚工法」は、土木工事や建築工事において地盤の安定性を確保するために行われる施工手法のひとつです。水道工事においても地盤改良や基礎工事などで増し厚工法が活用されることがあります。以下では、増し厚工法についてかなり詳しく説明します。
1.増し厚工法の概要
●目的
増し厚工法の主な目的は、地盤の強度を向上させ沈下や崩壊を防ぐことです。水道施設や関連する建築物の基礎部分において地盤の強度や安定性が不足している場合に増し厚工法が適用されます。
●適用場面
・地盤改良: 地盤の強度や耐荷重性が十分でない場合に増し厚工法が採用されます。特に軟弱な地盤やシンクホールの発生が予想される場所で有効です。
・建設物の基礎: 増し厚工法は、建設物の基礎部分において地盤の改良を行い建物の安定性を確保するために利用されます。
●施工手法
・掘削: 対象となる地盤から一部を掘り取ります。これにより新たな地盤を盛り土として追加するスペースが確保されます。
・積み増し: 掘削したスペースに新しい地盤(通常は砂や砕石)を追加して積み上げます。これにより地盤の厚みや強度が増加します。
・圧密: 積み増した地盤を機械などを使用して圧縮し、密度を高めます。これにより地盤の強度が向上し、沈下や変形を抑制します。
●利点
・地盤の改良: 軟弱な地盤を補強し建築物や施設の安定性を確保します。
・コスト効果: 他の地盤改良手法と比較して比較的コストが低い場合があります。
・迅速な施工: 比較的迅速に施工が可能で工期の短縮が期待できます。
2.増し厚工法の工程
●現地調査
・地盤の状態や地下水位、建設予定地域の地質調査を行います。
・地盤の強度や軟弱な箇所を特定し増し厚工法の適用可否を判断します。
●設計
・現地調査の結果を元に、増し厚工法の設計を行います。
・適切な積み増しの厚みや使用する地盤改良材料、施工方法を決定します。
●施工前準備
・施工地を整備し、不要な物を撤去します。
・必要に応じて掘削を行い、増し厚工法のためのスペースを確保します。
●積み増しと圧密
・決定した地盤改良材料を掘削したスペースに積み上げます。
・圧縮機やローラーを使用して地盤を圧縮し密度を高めます。
●施工後の検査
・施工が完了したら、改良された地盤の強度や安定性を検査します。
・設計通りの改良が行われたかを確認し必要に応じて修正を行います。
3.増し厚工法の種類
●土砂投入法
・砂や砂利などの地盤改良材料を掘削したスペースに投入する方法です。
・圧縮機や振動機を使用して地盤を圧縮し密度を向上させます。
●砕石積み増し法
・砕石を掘削したスペースに積み上げ圧縮機を使用して密度を高めます。
・耐水性が求められる場合に有効です。
●セメント混和法
・地盤改良材料にセメントを混和させ掘削したスペースに投入します。
・圧縮とセメントの硬化により、地盤を強化します。
●インジェクション法
・地盤に化学薬品やポリウレタン樹脂を注入して硬化させ地盤の強度を向上させる方法です。
4.増し厚工法の利点と注意点
●利点
・地盤の安定性向上: 増し厚工法により地盤の強度や安定性が向上し建築物や施設の安定性が確保されます。
・コスト効果: 他の地盤改良手法と比較して比較的コストが低い場合があります。
・迅速な施工: 相対的に迅速な施工が可能であり工期の短縮が期待できます。
●注意点
・設計の重要性: 地盤の改良は慎重な設計が必要であり誤った設計が施工後の安定性に影響を与える可能性があります。
・環境への影響: 地盤改良に伴う材料の使用や掘削作業は環境への影響があるため適切な環境配慮が必要です。
・地元の法規制: 地域によっては地盤改良に関する法規制が存在するため、これらを遵守する必要があります。
・既存建物への影響: 増し厚工法が行われる際には、既存の建物や施設への影響を検討する必要があります。
●まとめ
増し厚工法は地盤改良の一手法として水道工事や建築工事などで利用されることがあります。適切な設計と施工により、地盤の安定性を確保し建築物や施設の安全な利用を実現します。しかし、環境への影響や法規制への遵守、既存建物への注意が必要なため、慎重な計画と実施が求められます。